企業が国を超える日
アメリカはバイデン大統領に変わりどのように変化するのだろうか。今後アメリカはよその国どころではなく、国内が手一杯になって来るとみている。大統領が本気で選挙が不正だと叫び続けるような状態である。それを信じて国会になだれ込んだ暴徒がいた。この分断は簡単に終わる物ではない。
アメリカに変わって、覇権主義国中国が世界支配をするかと言えば、そういうこともたぶん無い。中国の方も今後、国内問題で手一杯になるだろうと思われる。香港、ウイルグル、台湾と言うこともあるが、それよりも企業の統制がいつまで保つのかと言うことである。
ただアメリカも中国も国内で起きる問題を、互いに相手国になすり合い、攻撃的になる可能性がある。自分が苦しくなると、とかく問題をよその国に転嫁したくなるにちがいない。たぶん日本は劣化を重ねながら、そうした大国の争いに巻き込まれて行くのだろう。
中国は商業主義国家で、覇権主義と言っても商売に具合が良いという方向に動いて行く国と見ておくべきだ。中国の影響力を高めておいて、うまく商売をするために影響力を強めようという発想だと思う。日本が良い顧客であれば、それが一番のはずだ。
香港を完全に中国化したのは、中国の国家資本主義の成り行きと見るべきだ。現状では経済に自信を深めている。世界一の経済になると考え始めたのだろう。その道筋に、香港というワクの異なる経済の場所があることは、不都合なことなのだろう。
ウイグル問題も同様である。イスラム世界の浸透を恐れている。中国という中華文化圏の形成をして、揺るぎない国家を作ろうというのであろう。これはいつの時代の中国も抱えていた問題である。中国という国家は単一国家としては余りに巨大なのだ。
異分子を常に排除していなければ、安心できないのだろう。次の中国の課題は企業という国を超えて活動をする存在を、国家がどう統制できるかである。中国はアメリカを凌駕するほどの経済大国になると見て良い。それを牽引する企業であれば、外国との関わりを国が統制しきれるだろうか。
中国は世界をコントロールを目指すと言うより、経済強国になりたいという思いの方が強いのだと思う。軍事力と言うより、経済力で世界を支配することを目指すのかもしれない。この時に、企業は世界で広がって行くためには、国の思惑と軋轢が生じる。
いずれにしても近隣諸国への影響力を高めて行くと言うことになる。日本は中国の影響下の国になる可能性が一番高い国だろう。それは日本の建国以来のことである。その関係性はまだ見えないが、アメリカが徐々に後退する中、中国の経済の影響下に日本は存在するようにならざるえないのだろう。
日本はこの変化に耐えられずに、国内政治に軋轢が生まれると思われる。中国に対抗すべき軍事力を強化しようとするも、とうてい差が開いて行く軍事力に絶望的にやきもきすることだろう。核武装論も登場するはずだ。アメリカの属国としてさらにへつらう、さらに見苦しいことが始まる。しかし、アメリカも一国主義的傾向を強めざる得ないのだろう。
日米安全保障条約は徐々に実質を失い始めるのだろう。アメリカが自由主義を守るためという正義を自らが捨て始めている。正義など競争主義では存在しない、日米安全保障条約は中国の影響下長続きはしない。経済的連携と言うことで考えれば、アメリカよりも中国という時代は近づいている。
アメリカよりも先に中国が環太平洋経済連携に加わることになれば、一気に状況が変化するだろう。しかし、英国側って入ろうとしているので、状況は分からない。アメリカの一国主義の失敗は大きく日本に影響する。トランプ、アベの落ち目の盟友関係はいかに実のないものであったかが今になれば良くわかる。
これからの時代の流れは好むと好まざるとに関わらず、経済の流れが中国の企業に導かれて行くことになる。中国企業の影響下に日本の経済が動いて行くような状態と見るべきではないだろうか。この関係性に日本の企業は対応しようとして、日本政府は力を失う可能性がある。
次第に国家というものの枠組みが、機能しない時代が来るのかもしれない。国家の力では解決の出来ない様々な問題が増加していき、その解決は大企業に期待されて行く。企業が人間の支配を強めて行くことになり、その結果国家という枠の意味が薄れて行くとみている。
軍事力が守るべきものが変わると言うことでは無いだろうか。軍事力は国家という枠を維持するためにあったのだろう。しかし、経済は利益を求めて、国という枠とは別に動く。中国のように利益というものが国家理念のような国に置いては、正義とは利益であるとも言える。
こうした国の軍事力は企業利益を露骨に意識せざる得ないだろう。香港に中国支配を強めた理由も、最終的には経済的な目的だろう。香港の経済力を中国に含みこみ、より合理的に利用したいという考えが強いのではないだろうか。
台湾を中国の一部にするという考えも、その方が中国経済に有利と考えたときだろう。台湾を独立国としておいた方が、中国の経済に有利であれば、支配し
ようとは考えないはずだ。それは中国政府が考える以上に、中国の企業が考えているところだろう。
ようとは考えないはずだ。それは中国政府が考える以上に、中国の企業が考えているところだろう。
後数年の内に、中国の企業の方向と中国政府の方向とがきしみを見せるはずだ。いままでは共通の利益で動けたのだろうが、これからは政府の方向が企業の利益を損なうと言うことはまま起こりうる。その時に中国政府は他のどの国より、企業利益を優先するように思える。
韓国政府は日本に対して、韓国の企業利益を損なう判断を行う。こうしたことは中国では起こりにくいことだと思える。中国の反日教育はその方が中国の経済的利益に繋がると考えている間のことだろう。中国経済が日本を上回る状況では、日本をどう利用するかになる。
中国人には人間力が極めて高い人たちがいる。合理的な科学思考が出来る人がいる。その上、広大な国土と、資源。そしてアメリカよりもはるかに大きい人口。だからこれからも経済成長を続ける。アメリカよりも可能性がるかに高い。
どこかで中国企業と政府との対立が生じ、中国政府も覇権主義的傾向を和らげざる得なくなる。そうでなければ、企業が利益を損なうことになるのだろう。これからの社会は政府は制御できなくなる。企業が社会を動かして行くと見るほかない。企業を国がうまく制御することが出来なくなる。