中国の稲作の研究能力の高さ
昨日のブログに中国の「ひこばえ農法」についての情報を載せた。中国からインターネットで集めたものである。グーグルで検索して出てきたものの一部である。先日中国出身の方に教わったところでは、グーグル検索では大半が拒否されてしまうので、確か、バイドウ?とか言う中国の検索エンジンで調べた方が良いと言われた。
しかし、その方法は分からないので、ともかくグーグル検索で出てきたものを、日本語に翻訳しては、ブログに集めた。自分がゆっくり読むためである。写真もそうなのだが、写したものはすべて、このブログの画像ページに入れてある。整理のためにグーブログはとても便利なのだ。
ブログは備忘録という意味がある。のぼたん農園の台光は、何時種を蒔いたんだっけと言うときに、調べればすぐ出てくる。それは言葉ですべての記録が検索できるからだ。台湾に2度目に行ったときは何時だったかな。あの絵は何時の絵だったか。忘れてしまうことが、探り出せる。
情報もそうなのだ。また検索しても、出てこないものはいくらでもある。今回も、ひこばえ米を漢方米として差別化して販売しているという話を調べたかったのだが、見つからなかった。残念であるが、また方法を変えて調べて見るつもりだ。一回の掲載が3万字までと言うのが、このブログの限度なので、今回はここまでだった。
こういうものに著作権があるのかないのか分からないが、たぶん違法行為ではないと思う。しかし、中国の現地で行えば、反スパイ法の枠内になるのかも知れない。日本と中国との農業分野の研究意欲が違いすぎるので、稲作のことは中国で調べるほか無いのだ。
日本でひこばえ農法を検索して、出てくる情報は農研機構関連があるだけだ。その情報も、まったく実際的に工作の参考になるものではなく、表面的な情報に留まっている。日本の農業分野の研究のひどい遅れを感じるばかりである。かつては稲作研究の世界のトップだったことを思うと、寂しい限りである。
たぶんこれは稲作だけでは無いのだろう。稲作は実際に行っているのは農民である。研究者のレベル差だけではなく、農民の組織の意欲の違いが目立つ。中国では個々の農家が農業を行うと言うより、地域の行政組織単位や様々な企業が農業に取り組んでいる。
他所よりも特徴があり、新しいものでなければ、販売で成功出来ないと言うことなのだ。行政も、農業者も商売人でなければ中国では成り立たない。農村は都会に較べて、未だに格差があるから、政府も農業を産業として成り立たせ、生活向上に力を入れている。食糧自給には国を挙げて取り組んでいる。
日本では、政府が主食作物を止めて、国際競争力のある、換金作物を作れという方針である。だから、稲作の基礎研究などやろうとしても、研究費が割り当てられない。ひこばえ農法の技術は、これからの世界の食糧事情からすれば、重要なものになる。その品種を作るなど、夢物語なのだ。
中国は一帯一路で、アジア・アフリカにそうした農業技術の普及も試みている。JICAなどもアフリカでひこばえ農法の指導をした、かもしれないような記述があるが、素人に等しい人がやったのだ。到底中国の先端農法とは比べものにならないだろう。中国の農業技術から学ばなければならない状況になっている。
今回ざっと読んだところで、いくつか興味のある情報があった。ひこばえの2期作、3期作のお米の方が美味しいので、差別化して二倍、三倍の価格で売れているという情報。本当なのかと思いながら読んだが、美味しいひこばえ米の作り方を研究したいと思った。
この情報は 3. 再生米の米質は良好です 再生米の粒のふくらみと米質は第一作米に比べて優れており、お米の光沢が良く、腹部が小さく白く、第一作米よりも品質と食味が優れています。 ーーー科学百科事典エントリー
中国ではひこばえ米向きの品種がすでにできていると言うこと。インディカ種のハイブリット米らしい。品種が作出されていることは分かっていたことだが、どんな改良をすると、ひこばえ向きに成るのかと言うことが書かれている。また病気が減るという記事もあり、これは少し信じがたいことだ。
行ったことのある江蘇省辺りでも、工夫をして取り組んでいるらしい記事があった。江蘇省で出来るのであれば、九州四国ならば、普通に可能だろう。苗をビニールハウスで3月頃から早く作り、4月には大苗を早植えをするらしい。それだと、ひこばえが十分稔らしい。
日本の稲作農業者が子供にはやらせられないという、感想を持っているような状況に較べて、まるで違う。やはり政府が食糧自給をするという強い意志がある。共産主義国の強さである。習近平も親が政治的権力闘争で批判され下放させられた。北西部、陝西省の貧しい農村に行き、20代前半まで、農業をしていた。
農村を豊かにする共同富裕は、習近平自身の忘れてはいない課題なのだ。中国の情報は、いかにもよい情報がでてくるわけで、鵜呑みには出来ないだが、ひこばえ農法の日本での進み方と、大きな違いが在るのははっきりと分かる。たぶんこれは農業分野だけではないのだろうと思う。
私が中国に出掛けた二〇年前とは立場が逆転している。日本の30年の停滞。中国の20年の躍進。今の日本が考えなければ成らないことは、中国から学ぶことである。日本人にはその謙虚さがなく、中国を馬鹿にして溜飲を下げている。
二〇年前の中国は日本から学ぶことを少しも恥じていなかった。私が卵の流通に関して、鎮江市で話をさせてもらった。私のような者の話を、本気で聞いてくれて、日本の農協の販売所や宅配システムを学ぶために、日本に戻ると追いかけるように中国から視察団が来た。
残念なことに日本は中国の揚げ足取りばかりしていて、どんどん遅れて行く。私はひこばえ農法をやるために、中国から学ばせてもらいたいと思う。先ずはバイドウで検索して、情報集めである。中国ではひこばえ農法を食糧の安定供給のために推進しているとあった。
世界情勢が分かる政府としては当たり前の方針である。政府の方針に基づいて、農業企業や地方政府が、本気になって取り組んでいる。本当にうらやましい限りだ。出てくる情報を見れば、稲作に対してどれほど真剣に取り組まれているかが分かる。日本の放棄されて行く稲作との違いに悲しくなる。
中国のひこばえ農法の技術は、世界の食糧危機を救うかもしれない。農業技術の開発が人間を救う。20年前私が自然養鶏で指導に行ったときと較べて、まったく中国と日本の農業技術の熱意とレベルが逆転している。たぶんこれはあらゆる分野に及んでいることなのだろう。思わず頑張れ日本である。