ひこばえの田んぼの稲刈りが進んでいる。
ひこばえの稲刈りが進んでいる。1番田んぼの「ゆがふもち」は終わった。3番田んぼの「ミルキーサマー」も終わった。6番田んぼの「とよめき」と7番田んぼの「とよめき」も終わった。残っているのは、2番、3番、4番、5番である。ともかくすべての田んぼで収穫できるところまではきた。
すべて手で刈る稲刈りだ。田んぼにはいくらか水が残った状態で、稲刈りをしている。石垣島の土壌の性質から一度水が完全に切れると、水を戻すのが不可能に近いからだ。また湧き水が十分が十分な水量ではないと言うこともある。
2畝の田んぼだと4人でやって2時間くらいである。みんなで作業をするという意味では、稲刈りが丁度良いと思っている。ひこばえ農法では、田植えがないわけだから、稲刈りだけは共同作業が良いと思っている。
1番と、7番は1期作よりも良かった。それでもせいぜい5俵止まりだ。5俵というのは、沖縄の平均収量である。3番と6番は一期作の方が良かった。と言っても1,7番はそもそも1期作が悪すぎたので、あまり威張れない。まだひこばえで十分に収量を上げるところまで、農法が分かっていない。何とか収穫までたどり着いたという程度である。
日本で初めての7回連続で収穫するひこばえ農法の稲刈りなのだから、不十分なのは仕方がない。2回目の稲刈りをして、すでに3回目の稲が生長してきている。この3回目の稲刈りが、11月になると思っている。ひこばえは3ヶ月すると収穫できるまでになる。
3回目のひこばえは涼しくなっての稲刈りだから、また生育が違うだろう。4回目のひこばえは15度くらいまで下がる、冬の物になるから、その生育がどうなるかも、今から興味深いところだ。ひこばえも十分に育つ季節があるのだと思う。
2期作だけで、終わりにして、代掻きをしてしまうところと、そのまま、3回目4回目を目指すところに分かれてゆく予定である。但しウイルス病の出た、とよめきに関しては、今回で終わりにして、品種を換えようと考えている。それでも3回目の様子を見るという意味で、6番田んぼだけは3回目の収穫を目指してみる。
4回目の収穫辺りまで進めば、はっきりと日本では初めてのひこばえ農法と言うことになる。今のところの2期作の収穫だけなので、まだその真価は出てはいない。それでも2回目で普通に収穫が出来たことは、気持ちの上ではかなり希望は出てきている。
中国の2期作で終わるひこばえ農法では、2期作目の方が一期作よりも収量が多いいと書かれている。実際にのぼたん農園でも分ゲツ数は一期作よりも二期作の方が多くなる。それは切り株から出てくるひこばえに加えて、脇から新しい分ゲツが出てくるからだ。多く成りすぎて粒が小さくなる。
問題は粒が小さくなることや、不稔籾が多くなることである。病気が出ると、ひこばえに継続するという問題もある。ネズミの問題がインドネシアではあるというようだが、ひこばえをネズミが食べたというようなことは今のところ無い。
ひこばえが一見普通の田植えした稲のように成長しているように見えるが、実際は十分なイネの太さにはなかなかならない。7番だけが太いイネになった。7番が外と違うのは、稲刈り前後水が足りないで、かなり渇いた田んぼと言うことである。田んぼの土はかなりひび割れていた。乾いて土壌環境が偶然良くなったのだろう。
イネが十分に成長できない原因はまだ土壌に力が足りないと言うことがある。ひこばえ農法では葉の数がせいぜい5枚くらいで穂を付けなければならない。5枚の葉が揃えばまだ良いが、3枚くらいで穂を付けてしまうことも多い。ひと株が30分ゲツ近くあるので、葉の数は数えないと十分のように見えてしまう。
葉の数が不足するために、よほど大きな止葉が出ないと、株に力が足りなくなる。根は十分でも葉が不足して光合成が不十分になり、収量が下がるのだろう。稲刈りしてから3ヶ月で次の稲刈りになるから、この短期間にもう少し葉を多く付けさせる方法を模索したい。
一番の要素は追肥だろう。アカウキクサを上手く広げるというのが一番良いことになる。まだアカウキクサの増殖方法も見えていない。アカウキクサもレンゲなどの緑肥と同じで、成長には肥料が必要なようだ。バットグゥアノを与えてみたら確かに増殖をした。
分ゲツの出方にばらつきがあるので、穂がバラバラに実ってくる。稲刈りの時期にばらつきが出てくる。次々に分ゲツが増えてくるから、遅れ穂がどうしても出てしまう。それを待ってからの遅めの稲刈りにしたほうが良いようだ。始めの方の穂が刈り遅れになるが、この点ではある程度我慢するほか無いのだろう。
残っている田んぼでは稲刈りを遅らせてお米の水分量が15%近くなってから稲刈りをしてみたい。そこまで待てばお米が充実してくるかも知れない。イネ株は穂を付けてからも、後半太い分ゲツを出してくる。始めのひこばえよりも大きな穂になる。
その意味では一度出たひこばえを刈り戻すことには意味があるような気がする。農総研のミャンマーの試験栽培では、刈り戻しや、高刈りには意味が無いとしている。田んぼを稲刈り前後乾
かすことは意味があると書かれている。しかし、一度の実験結果だから、しっかりした穂を付けるために技術は、これから試行錯誤して探して行くことになるのだろう。
かすことは意味があると書かれている。しかし、一度の実験結果だから、しっかりした穂を付けるために技術は、これから試行錯誤して探して行くことになるのだろう。
やはり資料としては、中国の栽培経験が重要になるだろう。少し本気で調べる必要がある。中国ではひこばえ用の品種が10種類ぐらいあるとされている。石垣でも少ない栽培事例だが、それでも品種間の差はあると感じる。中国のひこばえ品種を手に入れることは出来ないし、お米も美味しいとは限らないので、当面はミルキーサマーで挑戦をしてみたい。
これからやってみることを整理しておく。
1,お米の水分量が15%から18%に成るまで待って、稲を刈る。
2,追肥は稲刈り前1週間に行う。次はひこばえを刈り戻したときに2回目。
3,アカウキクサをできる限り増やす。
4,40㎝角で栽培する。
5,「台光」と言う台湾の品種の種が手に入ったので、これを試す。
6,稲刈りの前後2週間は田んぼを乾かす。
7,一回の収量目標を反収5俵ぐらいに下げ気味にする。
8,1畝30キロを目標に年3回の収穫で90キロ。反収年間で15俵程度。
9,草を完全に取り切る。
10,藁を戻す。落ち葉堆肥を入れる。
11,ひこばえ米を漢方米と言うことで中国では販売されていたという。