自民党岸田政権が支持された。

   



 残念な衆議院選挙になった。自民党政権が支持された事は悪夢のような結果だ。悲観的に考えていたのだが、それ以上に悪い状況。力が抜けてゆくがどうしようも無いこと。これが事実に違いないのだろう。何故だろうと思うが、この現実を受け止めないわけにはいかない。

 下り坂をころげ落ちている国では、振り落とされまいと言うしがみつき現象がおきているのだろうか。しがみついて居たところで、このまま、まだまだ下ってゆくと言うことのようだ。今ここから飛び降りて、日本の落下を止めるという力は、どこにも無い。飛び降りて日本の中の別枠に生きて行くしか無いのか。

  アベ・スガノ行った数々の犯罪的行為はこれで見逃して良いと言うことになったようなものだ。そしてアベノミクスは成功したとして、どうしようも無い経済政策が継続されてゆく。つまり第3の矢は放たれることは無くなったのだ。きっと階層間の格差はさらに広がる。

 このままでは日本がどこまで、どんな状態に落ちてゆくのかまだ、具体的なかたちでは想像できていないに違いない。G7からは外された日本がどのような感じなのか、想像できる一つになる。後進国と言うより、発展停止国に仲間入りすることになる。

 日本の有権者が自民党を選択したことは、議会制民主主義の国なのだから、受け入れなければならない。野党連合とか言っても、はっきりと形を示すこともできない。示してしまえばまとまる事すらできない。原発廃止すら具体化できない野党連合では、政権選択の対象に入らないのかもしれない。

 野党は野党なりに保守化しているのだろう。昔のどうしようも無い社会党を思い出した。野党がダメになっていると言うより、政治というもの全体がダメになっているのかもしれない。小選挙区制が日本の政治状況に合わなかったのだろう。それでも軍の独裁政権よりはましなのか。

 誰にも日本の未来が見えなく成っているのかもしれない。見えないので仕方がなく、自民党にしがみついて居る選択になる。現状が悪くなればなるほど、現状維持を選ぶ状況になる。この苦しい状況を現実として受け止める所からしか進めない。まだまだ下ってゆくのだろう。

 下った先は身分制度のある、階級社会だろう。すでに、総理大臣主催の花見に招待される自慢げな階層と、その他大勢の下層階級が出現している。そして品構想のさらなる増加。日本の展望を案外に楽観的に見ている人もいるのかもしれないが、残念なことにこれから良くなるようなことは無い。

 今回の選挙で特徴的なことは、維新の会が関西で勝利したことだ。これは地方政治で選挙民が自民党に変わる形を想像できた結果なのだろう。しかも、自民党以上に右翼的な、分配はしないという政党である。自民党がダメなときにはさらにひどいという受け皿としての保守党が登場するのかもしれない。情けないが、自民党時代はまだ良かったと言うことになりかねない。

 関西の維新の会と関東の小池新党が連合して一つの国政政党になり、自民党との2大政党になる可能性の方が高いのかもしれない。そうなったら、立憲民主党と共産党はどうなるのだろうか。日本国憲法の理想を希求する政党が無くなることになる。

 今回小池新党は日の目を見なかったわけだが、保守党の自民党では無い勢力が他の地域でも登場するのかもしれない。自民党アベ・スガ政権のやった様々な悪事を、肯定している人は少ないと思うが、そこは目をつぶっても、既定路線にしがみつきたい気持ちを抑えきれないのだろう。

 沖縄の選挙区では深刻なことは辺野古の米軍基地建設を抱える、3区で自民党候補が勝利したことだ。オール沖縄の候補者が落選した。そして、石垣市の含まれる4区でも自民党候補が当選をした。基地問題を抱える沖縄でも、オール沖縄候補が後退し、自民党候補が票を伸ばした。

 オール沖縄の支持母体が、崩れてきている。翁長知事時代は自民党出身者でありながら、自民党を離党して野党候補として沖縄のアイデンティテーを主張した。支持母体の崩れ方を見ると、やはり地元経済界の支持が自民党支持に変化をしてきたと言うことのようだ。

 もう一つは前回のオール沖縄の実際の投票の中には公明党票があった。公明党の中に、沖縄をないがしろにする自民党を許せないという良識が働いたのだ。ところが今回の選挙では公明党は迷い無く自民党支持であった。たぶん公明党内部の崩壊を恐れてのことだろう。これもしがみつき。その結果の厳しい選挙結果。

 島の経済は厳しい。国の沖縄振興政策に期待するには自民党との繋がりを重視したいという結果のようだ。今回の石垣島のある3区は、当選した自民党の西銘氏は現職の沖縄担当大臣である。対する立憲民主党から立候補した金城氏は元自民党県会議員で、翁長知事をオール沖縄として支えた人であった。

 わずかな光であるが、石垣市の票数は西銘氏11041票、金城氏9405票であった。この票差は1640票ほどである。実はこの差は前回の衆議院選挙よりは迫っているということだ。中山市長の市政のデタラメの影響と考えられる。公明党の中に存在すると思われる、自衛隊基地反対の票の行方が市長選挙では重要だ。

 公明党支持者が棄権することになれば、石垣市長選挙では現職の中山氏が落選することになる。公明党が敵基地先制攻撃のミサイル基地を容認すると言うことは、党是からすれば矛盾している。少なくとも平和の党であり、専守防衛を旨としているのであれば、石垣島のミサイル基地はいらないだろう。

 公明党が支持できる候補を、少なくとも棄権する人材を、中山市長に対抗して選出しなければならないのではないか。政治は一番身近なところからである。自分の周りから変えてゆくほか無い。自民党は衆議院選挙で選択された。日本はそういう国だと受け止めるほか無い。

 それでも、石垣市を考えてみれば、わずかに可能性が無いわけではない。 中山市政は民主主義を否定した。経済優先の保守層から支持されているという独善から、民主主義を無視した市政を行っている。説明責任どころか、まったく説明というものがない。

 何故自衛隊の敵基地攻撃ミサイル基地が必要なのか、明確に説明したことが無い。なぜ、ユニマットのゴルフリゾートに水をどれだけ供給するのか、市民に説明することが無い。一体石垣島に何人の人間が暮らせるのかも、説明をしたことが無い。そして住民投票条例を削除して仕舞った。

 これほど独善の、非民主主義者がいつまでも石垣市長でいることは間違っている。石垣島のために今度の市長選挙では、敗北して貰わなければならない。そして身近な市政に民主主義を取り戻すことだ。そこからもう一度立て直すほか無いのだろう。
 

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