いらだち社会

   

世界中がいら立っている。誰かが悪いと責める社会。トランプアメリカ大統領は世界中を敵に回して、いきり立っている。世界最強の悪の枢軸であろう。中国が悪い。中国は日本が悪い。日本は朝鮮を悪いと攻め立てている。モンゴル横綱はずいぶん責められた。横綱であっても攻撃しても良い対象になれば、忽ちに批判にさらされる。もちろん、悪者が攻められるわけだが、その責め方が尋常じゃない。私もアベ氏を責め続けている。お前も同じだとそういう人たちからの苛立ちのコメントが繰り返し来る。何故、中国を責めないでアベ氏ばかり責めるのかと怒っている人も居る。中国は外国である。アベ氏は私に対しての権力者である。自分の権力者に対しては厳しい注視と主張が必要と考えるのだが。苛立ち社会の一端を担っている気はする。民主主義社会の健全の為に必要なことだ。忖度して優遇してもらおうという、おもねり派とは一線を画している。というような意識でいる。

苛立ちの裏返しとして、自分だけが優遇してもらいたいという考えがある。ヘイトスピーチが弱者の特権を批判するとしている。在日特権をあげつらう姿がまさにそうだ。弱者であることを優遇の根拠にしていることが許せないという事のようだ。同じことが生活保護者に対する差別誹謗にも表れる。生活保護世帯が、低所得者世帯より所得が多いいというので、政府は保護世帯の方の給付額を下げた。最低限の文化的生活ができるのかどうかという憲法に示された判断については、十分したようには思えない。問題はワーキングプア―と呼ばれる過酷な労働状況にある。苛立ち社会の原因は広がっている。一番でなければいけないのに、明らかに一番になれない社会なのだ。頑張ったからと言って一番になれる人は1人である。日本も残念ながらアジアでも後塵を拝するようになった。一人以外は無用の人、一人の為のお荷物。これでは苛立ちが蔓延するのも当たり前だ。一人以外は役立たないという、文明の形がおかしいのだ。本来人間は存在するだけで価値がある。

外国人労働者の増加が著しい。特に農業分野では、若者だけで言えば、3人に一人、4人に一人が外国人という地域すらある。日本の若者は肉体労働を嫌う傾向があるのだろう。3K職場などといわれて、差別が存在する。大型機械利用の農業は確かに危険であるかもしれない。労働事故で一番多いいのが農業分野とされている。工場や工事現場より、確かに農業の現場は不確定要因が多く、事故につながりやすい環境である。ここに外国人労働力が不法就労を含めて、目立つ増加が続いている。このまま行けば、オリンピックの頃には、若い農業者の半分は外国人労働者になる。政府も法律を変えて、単純労働者も日本で長期間労働できるように変えようとしている。この時日本の食糧自給率というものはどうなるのだろう。むしろ、輸入食糧の方が合理性があるのかもしれない。

外国と日本のかかわり。ここに苛立ちが高まると、戦争である。私はアメリカに対して、トランプ的なものを長年感じてきた。日米の関係が対等ではない。アメリカが日本を軍事的に支配している感じである。アメリカの言いなりになっているのであれば、保護下に置いてやるという対等ではない不快さである。これに日本の右翼が何故反発しないのかが不思議でならない。日本の現代の保守主義者というのは実は日本主義者ではないようだ。実に打算的な国家主義である。トランプが登場して、アメリカの本心が表面化した。TPPにおいても、もし日本が加わることになれば、将来的にはトランプ的な実態が作り上げられると考えていた。今もアメリカ有利な条件に変えるのであれば入ってやっても良いという姿勢である。こうした軋轢を高める国際情勢。すべては競争に勝つという、苛立ちから来ている。

 - Peace Cafe