美味しいコーヒーの入れ方

   



 毎朝、起きるとまずコーヒーを入れる。コヒー豆は石垣島の美崎町にある南星コーヒーで買っている。電話で予約して、モカの豆を焙煎してもらっている。やはり焙煎してから余り時間が経たない方が美味しいとおもうからだ。5日目当たりが一番美味しいと言う。それ以上の豆は封印して冷蔵庫で保存する。

 美味しいコヒーの入れ方というのも様々出ているのだが、一番納得できた解説は、入れ方を記録をするというものだった。コーヒーはなかなか安定しない飲み物である。これぞと思って上手く入れたと思っても、次回同じように美味しくなるとは限らない。

 それくらい味が変わる飲み物だと思う。その点がいつも不思議な気がするのだ。同じように入れているのになぜこんなにまずいのかというような日があるのだ。その大半の原因は自分の舌が安定しないからだと想像している。体調しだいで味覚が変わる。

 たとえ同じ物を飲んだとしても、体調によって舌が感じる味が変わって居るように思える。味の専門家はよほど舌を大切にしていると思われる。たばこなどで舌を荒らしてしまえば、安定して味を競べることは出来ないことだろう。コーヒー以外ではこれほどの差を感じていないのだ。

 古い友人に原さんと言う人が居る。アートコーヒーに務めた。毎朝、会社の朝礼でコーヒーを飲む試験をするのだそうだ。そして社長から指名されて、今日は何豆と何豆のどういうブレンドか、と答えさせられる。原さんも分かるようになったと言っていた。これは結構難しい試験ではないかと思う。

 ブレンドまでなんとか分かっても、その豆の比率まではなかなか分からない物だろう。もし3種のブレンドだったらさらに難しい。それが社長は完璧に分かる人らしい。何時までも答えられない人は、配置転換させられるのだろうか。止めることになるのだろうか。

 コーヒー通という人で、そういうことができる人がどれだけ居るだろうか。最近、コーヒーを改めて味を確かめているのは、干川さんが特別コーヒーに関心があると言うことが分かったからだ。干川さんの味の感じ方は独特なのだ。そこがおもしろくて、干川さんに味のことを色々聞くのだ。

 干川さんは石垣島でその昔、パイナップルからお酢を作ることを事業化しようとしたことがあるのだそうだ。何でもたちまちに、果実を何でもお酢にしてしまう酵素があって、それで石垣島にある、生食用では葉出荷できない傷物パインを集めて、お酢にしたら仕事になりそうだと眼を付けたのだそうだ。

 なかなか良い仕事に見える。そして試しに作ってみたらすぐお酢は出来たそうだ。普通ならよし、ここぞと事業化するところだろう。もう30年も昔の話らしいから、果実酢の先駆的な物になったはずだ。ところが干川さんはなんと、お酢の美味しさが分からなかったのだそうだ。どこが美味しいかが感じられないので、到底上手く行かないから、事業化を止めたそうだ。

 さすが干川さんである。何でそんな話になったかと言えば、干川さんは玄米の味は分からないそうだ。どんな玄米でも同じようなものではないかと言う。昔は玄米を食べていたが、玄米を食べると子供の背が大きくならないということが分かったそうだ。長男は玄米時代の子供で背が大きくならなかった。次男は白米に変えてからの子供だから背が大きいそうだ。

 玄米は身体に良くないという結論なのだ。まさかそんなことがあるわけがないと私は思うのだが。真実はともかくおもしろい考え方だ。玄米だって美味しい玄米もあれば、まずい玄米もあると私が言うと、自分には玄米の味の違いはまったく分からないというのだ。

 だいた干川さんは違うと思ったときには、分からないということにしているようだ。人を否定してばかりいた反省からそういうことにしたのだそうだ。つまり玄米はみんな味は同じという結論をもっていると考えて良い。玄米を食べていてそんなことがありうるだろうか。

 先ずは玄米が炊き方で味が違うということがある。美味しい炊き方であれば、食べたくなる玄米ご飯がある。私はカムカム鍋という土鍋で炊いていた時代がある。これで炊いたさとじまんは美味しかった。今は玄米は食べないのだが。

 なぜ食べないかというと、内の奥さんは玄米を食べれないためだ。身体が受け付けないと言うことらしい。それに合せて白米を食べている。自分で炊くわけでないし、二人しか居ないのにそれぞれ違うものを食べるというのも何だか変だと思うので。

 白米で食べたらば、味がもう一つだった「とよめき」が玄米で食べたらば意外に美味しかったのだ。これは多くの人にたぶん、50人くらいに聞いたとろろ玄米なら行けるという意見がほとんどだった。たぶんに忖度かも知れないが美味しいと言ってくるとうれしい。干川さんは正直に、玄米の味は分からないということだった。

 その干川さんが言うには、石垣島で一番美味しいコーヒーはホテルグランビューの昼定食に付いてくるコーヒーなのだそうだ。だからよく食べに行くらしい。干川さんによるとかなりこだわったコーヒーらしい。私も昔サウナがあるので、泊まっていた。モーニングに付いてきたコーヒーは飲んだが、記憶にない。

 モーニングのコーヒーは大量に入れてあり、自分でカップに取るタイプだったから美味しい等ほどの物ではなかったのだろう。一度ランチを食べに行かなければとは思うのだが、何しろ、まだコロナが怖いのでわざわざランチを食べに行くほどのこともない。

 コーヒーのためにランチを食べるというのも変な話だ。干川さんもランチの食事の味に関しては何も言わなかった。グランビューのランチが美味しいという噂は聞いたことがない。もしかしたら干川さん流儀で、ランチの味は分からないということで良いのかも知れない。

 コーヒーの美味しい入れ方である。納得の行く説明があったのだ。入れるときにはすべてを記録しろというのだ。記録しては入れては飲む。美味しい方に近づいたならば、その記録に基づき、調整して行き、自分の美味しいに近づけて行くという考えだった

 これはすごく納得が行くではないか。これなら、必ず自分の好みに近づく。お湯は何度が良いか。毎回代えながら記録して、一番の好みの味を見付ければ良い。コーヒーの焙煎の度合い。粉の大きさ。色々の要素を時間をかけて変えながら調整して行けば、必ず美味しいに至る

 今私はそのやり方で温度を徐々に下げている。94度まで来たのだが、どうもさらに低い方が良い感じがしている。温度が下がるほど時間をかけて入れないとならない。コノポタポタぐらいのお湯の注ぎ方の方が良いのは確かだが、どうも面倒くさすぎていけない。

 豆だって色々のところで買ってきて試したのだが、南西コーヒーは何しろ焙煎してくれるというところが良い。自分で焙煎したら良いだろうという人が居たが、これもまた面倒くさすぎる。コーヒーごときにそこまではやれない。私はファミマのコーヒーでもほんとうは良いのだ。

 ファミマのコーヒーは惜しいと干川さんにいったら、何か怪訝な顔をされた。ファミマのコーヒーの味は分からないということだろう。グランビューの定食のコーヒーを一番という人だから、相当にコーヒーの味には自信があるとと思っている。今度家に来た時に飲まして上げると言っていた。

 

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