ウクライナ、ロシア軍が攻撃開始

   

 23日に水牛コロバシャを行い、24日に水を抜いた5番田んぼ。26日に直播きを行う予定。品種は「とよめき」

ロシア大統領府はプーチン大統領が21日、ウクライナ東部ルガンスク、ドネツク両州の一部を実効支配する親露派武装集団が一方的に独立を宣言している二つの「人民共和国」を、独立国家として承認する大統領令に署名したと発表した。

 ウクライナに対して、ロシアはその領土の一部を独立国家として認め承認した。そして、その地域の平和維持軍としてロシアが軍事力を介入させた。ロシアのやり方は、軍事力による現状変更だとして、G7において強い抗議声明が出され、経済制裁が打ち出された。

 G7各国がそれぞれに経済制裁を行った。日本はいまのところ経済制裁はしていないという程度の反応。日本はエネルギー価格の高騰で打撃を受けるだろう。そして、もし実際にロシア軍のウクライナ領内への軍事介入を行えば、さらに強い経済制裁を行うと言うことを主張している。そして、24日ついに軍事侵攻を始めた。今のところもう一つ対応が不明確である。

 すでに、ロシアは抵抗なく軍事侵攻を宣言し、実行をした。それは親ロシア派勢力とウクライナ政府との軍事衝突があり、その停戦状態が破棄されたと言うことである。ロシアの主張は親ロシアは勢力の主権を守るための平和維持軍と言うことである。

 こうした軍事侵攻はイラクでもアフガニスタンでも、ベトナムでも繰り返されてきたものである。世界は軍事力では何も解決ができないということを少しも学ばず、自国の都合と利益のために怒りに任せて武力を行使する愚かさから抜け出ることができない。

 これ以上の軍事侵攻と言うことはウクライナ全体に対する、NATOの加盟を望むを臨む地域にもロシアが軍事侵攻すると言うことなのだろうか。確かにそういうことが起これば、それが武力による現状変更と呼べるだろうが、住民の意思というものを国際社会はどのように見ているのか。どうも住民希望よりも自分の利害を各国が主張しているように見える。

 そもそもロシアの主張は、独立を住民投票によって決めたウクライナ内の一部地域の親ロシア系住民が、ウクライナから武力攻撃を受けているという主張だ。その住民の危機を守るための平和い維持の為の軍事侵攻だと言っているのだ。何故そのことにG7は見解を表明できないのか。

 この主張が正しいものとは確かに言いがたいとはいえるが、この地域の親ロシア勢力をロシアの傀儡政権と一方的に決めつけて良いのだろうか。朝日新聞はそのように決めつけている。ウクライナがこの状況下、独立派に対して軍事攻撃を仕掛けて、ロシアのウクライナ侵入を促すような馬鹿はしない。そもそもNATOにはいりたいというのは、ロシアの軍事圧力に対抗したいからだろう。

 ウクライナ国内で、親ロシア派というものが存在し、独立運動が続いている。クリミアがその最たるものであった。そしてクリミアは住民投票の結果圧倒的に独立を希望して、独立した。その後ロシアに編入される道を選んだ。これは香港とか台湾とはまるで違う状況だ。

 しかしクリミアはロシアが一方的に占領したかのように報道されている。現在も新ロシア地域の独立政府は実態はロシアなのだと根拠なく主張されている。もしそうであるなら、現在のクリミアの平和な状態をどのように分析するのだろう。

 こうした一連の動きに対して、ジョンソン英国首相はこのロシアの暴挙を許せば、台湾でも同じことが起こると発言していた。つまり台湾も軍事力による現状変更が中国によって行われると言うことだ。日本政府も同様な主張で、尖閣をそこに加えている。確かにリスクは高まった。

 何故、台湾とウクライナを連動させるのかに、基本認識をわざと間違えて主張していると思われる。ウクライナでは住民投票の結果、ロシアになりたいという地域があると言うことだ。これを朝日新聞がロシア傀儡と断定する根拠はどこにあるのか。

 中国は香港の民主化勢力を反国家活動と決めつけている。台湾は中国になりたくないという選挙結果があるにもかかわらず、中国が軍事的に併合しようとしているのだ。台湾人の意思は尊重されなければならない。何故ウクライナ親ロシア派の住民の意思は無視されて仕方がないのか。

 状況としては住民の意思は逆の状態である。いまウクライナで起きていることまでは、ロシアの主張は一定の筋が通っている。但し、ウクライナがNATOに加盟することをロシアが遮る理由は一つも無い。ロシアが武力で平和維持だと称してウクライナ国内まで一方的に軍事侵攻する隣で、安心して暮らせるわけが無い。

 NATOに加盟して、ロシアの攻撃を出来ないようにしたいというのは当然のウクライナの判断だろう。ロシアが軍事対立を高めるほど、ウクライナはNATOに依存する。クリミアが独立したときからそうした国民の気持が徐々に高まった結果である。NATO軍がウクライナに進出することはロシアにとって、深刻なことだとプーチンは主張しているが、ロシアがその状況を作り出している。

 そんなことはお互い様のことで、軍事力で
国際紛争を解決できることなどひとつも無い。それぞれが住民の意思を尊重して、国家としての独立をしてゆけば良いだけのことだ。台湾もまったく同じことだ。台湾の歴史を考えれば、中国に併合されたいと考える人は極めて少ないはずだ。

 台湾は独立国家として認められるべきだ。日本もアメリカも一定範囲で台湾を支持はしているが、あくまで中国との経済関係を重視して、台湾を承認はしていない。しかし、軍事的にはアメリカと共同して、対中国の防衛戦として台湾沖縄が重視されている。

 あくまでアメリカの世界戦略にとって台湾と沖縄が最前線としての意味があるのだ。ウクライナがNATOの軍事拠点になることを嫌うロシアと同じことだ。中国は沖縄、台湾がアメリカの軍事基地最前線である事を中国の安全保障の障害と考えている。

 アメリカは一国主義を主張しながら、すこしも沖縄の基地を縮小しない。沖縄の基地こそアメリカの利権だからだ。ウクライナにも前線基地を配置したいという、軍事的な戦略と同様のことだ。ウクライナは基地を提供する代わりに、ウクライナという国の独立に対する、ロシアからの軍事圧力を防衛したいと言うことだろう。

 アメリカの圧倒的軍事力が相対的に弱まっていると言うことだろう。中国はさらに軍事力を強化し続けることだろう。こうした武力で自分の利権を主張しようと言うことが出来ない世界を作らなければならない。もし、強いものが権利を主張できる世界になれば、日本は中国やアメリカの圧力の下に、永遠に存在せざる得ないことになる。

 住民の意思が最も重視しされなければならない。それが民主主義の基本原則である。住民が自衛隊基地があると、生活に危険が生じるから、自衛隊基地が出来ることに反対するとすれば、そこには自衛隊基地は作ることが出来ない。アメリカ軍も進出は出来ない。それが民主主義国家である。

 国の安全保障といえども、住民の意思を無視して行使は出来ない。それが民主主義国家の憲法に保障された権利である。その意味からも、ウクライナの一部地域の、親ロシア住民の独立希望は尊重されなければならない。それが民主主義である。もしG7が民主主義を標榜するなら、新ロシア派の意思はどう考えるのだろうか。

 

 - Peace Cafe