ひこばえ農法の整理
「ひこばえ農法」では「とよめき」のひこばえはそれなりにしっかりした穂を付けてきている。写真は8番田んぼ。20本ぐらいは穂を付けるのではないかと思われる。収穫的には一期作が鳥に食べられたりしたので、ひこばえの収穫もほぼ同じくらいはあるのではないかと思われる。
今回2回目の「ひこばえ農法」の試験栽培をして、自分なりの栽培の方針までは行かないが、方向は出てきた気がする。さらによく観察していて、気付くことを探して行きたい。先ずは今までの所を忘れてしまわないように、ここで整理し記録しておこうと思う。
「アカウキクサ農法」についても、現在まで分かってきたことと、今後の課題をまとめたいと思う。のぼたん農園ではこの2つの農業技術を確立して、何も持ち込まないで出来る、お米の収穫を継続する方法を目指して行きたいと考えている。
「ひこばえ農法の整理」
1,稲刈りをする時期は早刈りでも、遅刈りでも、ひこばえは変わらない。
2,田んぼの水は湿潤状態くらいで維持することが良い。
3,土壌が豊かな物になっていないとひこばえ農法は出来ない。
4,ひこばえは葉を4,5枚で止葉を出し、穂を付ける。
5,4,5枚の葉を6,7枚に出来ればより良くなる。
6,特に止葉は大きく60㎝。幅2センチ。厚い葉を付ける事が目標。
7,品種によって、ひこばえの出方は異なる。
8,ウイルス病などの病気がひこばえで広がるので、ウイルス耐性が必要。
9,株を切り戻す意味はない。
10,穂を抜いて穂をそろえると穂揃いが良くなる。
11,一期作の稲を遅刈りする方が良さそうだ。
12,高刈りすることで出てくる稲の葉の数を増やし、大きく出来る。
13,土壌が良くなるまでは追肥が必要になる。
「アカウキクサ農法の整理」
1,アカウキクサが十分繁茂し、漉き込み直播きをすると、他の肥料はいらない。
2,アカウキクサの増殖の適温は20度から30度である。
3,リン肥料を必要とする。
4,自然に新陳代謝を繰り返すが、田んぼでは夏場繁茂しない。
5,バットグゥアノを試してみたい。
6,アゾラが特定外来生物として駆除対象なので、注意が必要。
まだ分からないことは多いわけだが、去年の段階から見れば、かなり成果を上げている。実際の収穫ができると言うことがまず第一歩である。農業は結果次第だ。収穫だけが問題である。畝取りまで行けばその農法に到達したと言うことになる。
どれほどの知識があり、実践をしているにしても、畝取りが出来ないのであれば何か間違っている。努力が足りない場合が多い。自然農法、冬期湛水、不耕起栽培、叢生栽培、何でも良いのだが、畝取りが出来ていなければまだ不十分な農法であると自覚しなければならない。
目指している「ひこばえ、アカウキクサ農法」も畝取りが出来たときに始めて、正しい農法と言える。それが出来るまでは未完成な農法である。現状ではその意味で、まったくダメな農法である。人に勧めるどころではない。ただ、この方法には、可能性が大きいと考えている。
アカウキクサはアゾラの一種である。現在のぼたん農園で増殖させている物は、石垣島の固有種である。特定外来植物のアゾラとは異なる。専門家に特定していただいたものである。アカウキクサは絶滅危惧種である。駆除すべきアゾラとは似て非なるものである。
自給農業はできる限り機械を使わない事が望ましい。出来れば、手作業だけで出来ることが望ましい。しかもできるだけ省力的な物でなければならない。また少ない水で可能と言うことも重要になる。大規模な農地では無く、ちょぅとした、山際の棚田で可能な農法にしたい。
「ひこばえ、アカウキクサ農法」はその点でも石垣島は可能性が高い。小さい自給農家向きの農法として研究を続けたい。もしその方法が確立できたならば、アジアの島々では可能性が広がるのではないだろうか。だんだん方向も見えてきたところである。