崎枝楽観農園にユンボが入った。
昨日夕方、一度家に帰ったときに福仲先生から電話があった。ユンボを崎枝の田んぼに搬送してくれたというのだ。まだだと思っていたのだが、あわてて崎枝に戻った。これで、崎枝の楽観農園は一歩進むことになるとおもうと、不安と喜びであわてふためいていた。
ついに楽観農園に待ちに待ったユンボが入った。福永先生がユンボを入れてくれた。気分が一気に変わった。景色も一気に変わった。土壌はどうなのか。溜め池の湧水量はどうなのか。もう色々に待ちに待った瞬間だった。すべてがかなり楽観園の名前の通り、希望に満ちて良かったのだ。
これなら楽観したとおり、できると言うことが分かった瞬間だ。嬉しかった。久しぶりに跳び上がりたいほど嬉しかった。先ずは田んぼ予定地を下の方まで試しに土壌を試験的に掘って貰った。すると表面にはそこそこ石があってすごく堅いが、その下には田んぼをやれる土があったのだ。
6カ所掘ってみてくれたが、よく似た黒っぽい土だ。先ずは大丈夫と言うことが分かった。赤土でないところが不思議だったのだが、赤土のように漏らないでくれるのだろうか。砂っぽいと言うことは無いのだろうか。一つ良いとなると次の心配が出てくるが、崖の所にある、赤土と大きくは違わないはずだ。
土があるのだから、代掻きさえしっかりすれば、水は溜まるはずだ。根気良く石を拾い、田んぼの均平を出すことだ。そして水牛でコロバシャを続ける。少々浸透してしまう土壌でも耕作を続ければ大丈夫なはずだ。どうしてもダメであれば、溜め池の泥を加えてやれば良い。溜め池の底の土はいかにも漏れない土だ。
なんと言っても、石さえ拾えば田んぼになる。贅沢は言えない。石を拾うのは根気よくみんなでやればいいだろう。水牛のコロバシャを入れてからも石は出るだろうから、出る度に拾い出せば良いだろう。何故か分からないが10センチ程度の石である。それより大きいのは見あたらなかった。
石拾いのような人海戦術は共同の田んぼの得意分野だ。拾った石は隣の田んぼとの境に集めておいて、棚田の段差部分に積んでおけば見た目も良いだろう。先ずははたけ予定地に放り上げておけば良い。あとで積み上げれば良い土手になる。
昨日は、たまたま地主さんの国仲さんが大きなトラックターで通りかかった。そこで田んぼ予定地を鋤で起して、土壌を天地返してもらえないかお願いした。草が生えているので、一度草を漉き込んで柔らかくして貰いえないかと考えた。
ユンボだけではとても大変なので、まずトラックターで可能なら鋤起こしだけはお願いした。土曜日にやってくれることになった。草ごと土を天地返してもらうことになった。その前に出来れば米ぬかなどの肥料分を蒔いておきたい。そうすれば草が良く分解するはずだ。
米ぬかが無いのであれば、蘇り堆肥でも良い。肥料分を入れて草ごと漉き込めば2月半ばの田植えの頃には草は落ち着いているだろう。生草を漉き込むと土がダメになると、言われるのだが田んぼでは問題が無い。むしろ腐植の少ない石垣の土では草は漉き込んだ方が良い。崎枝田んぼの方にある、藁堆肥や落ち葉堆肥も運んで田んぼに入れたいと思っている。
そのあと、溜め池を調べてみてくれた。土をさらいすこしづつ溜め池を広げて、水の湧いている当たりの土を取り除いた。すると土の断面から水がすこしづつ染み出ている。これだけ雨が降らないのに水が出ていると言うことは、希望がさらに大きくなった。
水があるのだから当然と言うことでもあるが、やはり土から水が出てくる実際の姿というのは不思議な感動ものだ。わずかずつでも湧いているので、かなりの水量と言えるかもしれない。一日に、10トンくらいの湧き水だろうか。うまくこの水を使えば、5段目までのつまり1反の田んぼくらいは出来るはずだ。
場所としては、目一杯広げれば200㎡くらいの溜め池は出来るだろう。水深が50㎝だとしても、10㎥の水量になるそこに水が一杯になっていれば、田んぼに水を時々入れるという事はできるはずだ。もう一カ所同じくらいの溜め池が出来そうだ。
水牛も充分に広いため池で嬉しいことだろう。水牛池の実現ははっきりした。もう少し木陰があると良いのだが、溜め池の上に棚を作り、藤のようなものを這わしたらどうだろうか。それは溜め池の上ではなく、他の炎天下の場所に必要なのかもしれない。
上手く二つの溜め池に水が溜まれば、10段の田んぼが可能になるのでは無いか。かなり希望が出てきた。日本一美しい田んぼ実現が一気に現実に近づいた。頑張りがいがある。確かに全体の田んぼの完成はまだまだ先になるのだろうが、先ずは上の二段だけでも出来れば、ともかく田んぼの継続になる。
水牛を使った伝統農業がいよいよ、本格的な展開になる。腐植を増やすことだ。水牛の糞などをうまく利用して、田んぼに腐植を増やしてゆく努力をしなくては成らない。亜熱帯の土壌を有機農業向きのものに、変えてゆく努力をしなければならない。
昨日、台湾で稲作をやられている昔からの友人が、台湾の田んぼのことを色々教えてくれた。それはなかなかお
もしろい話だった。いつか見に行きたいものだと思う。台湾でやれていることが、石垣島で出来ないはずが無い。台湾のインディカ米とジャポニカ種の交雑種が評判という話もしている。美味しくて、多収で、有機農業向きと言うことだ。
もしろい話だった。いつか見に行きたいものだと思う。台湾でやれていることが、石垣島で出来ないはずが無い。台湾のインディカ米とジャポニカ種の交雑種が評判という話もしている。美味しくて、多収で、有機農業向きと言うことだ。
自分の持てるものすべてを駆使して、田んぼ作りに邁進したい。福仲さんのユンボ技術は実に素晴らしいものだった。トップレベルの技能者である。キャタビラが途中で外れたのだが、あっという間にうまく直した。石垣の人には万能な人が多い。
しかし、作業を見ていたら、怖くてとうてい私がやれるようなものでは無いとも思った。もっと小さいユンボで、練習しなければダメに違いない。大型のユンボ仕事が終わったら、今度は小さいユンボを借りてくると言われていた。その時試してみたいものだ。
小さいユンボで田んぼの均平をとりたい。田んぼをきれいにしてゆく作業の練習ならば平らの所なので、初心者でも可能かもしれない。これはまだ先の話だ。ノボタンを抜いて、畦に移し植えるなどという作業も、小さなユンボならば出来るかもしれない。
下の溜め池はかなり土を移動させないとならないのだが、これは福永さんにお願いして、やって貰わなければダメだ。下の溜め池は湧き水と言うよりも、斜面からの雨水が溜まる構造になる。一町歩くらいの面積からの水が入るから、少しの雨でも水は溜まるのではないかと思われる。