石垣島田んぼ田植え4日目の様子

   


 石垣島田んぼは8月1日に田植えをした。今日で5日目になる。昨日は台風余波の強い風が続いたので、今朝田んぼに行くのが怖い。苗が元気にしていてくれるだろうか。タカの凧は3つとも下ろしてある。下ろしたら、途端に白鷺が来た。

 上の写真は田植え後3日目の補植したあと。前後5日間水が止まり、川から水をポンプアップしてしのいだ。川にも充分に水があるわけではないので、しばらく溜めてはポンプを稼働させて、しのいだ。一部枯れた苗も出てしまった。

 8月4日に補植が終わった。一部ジャンボタニシに食害にあっている。許容範囲であるが、これも気になるところである。小さい倒れた苗は倒されて食べられている。早くしっかりした株になってくれることだけだ。タニシ拾いはさして大変なことではない。

 4日目になり、台風が近づき、かなり強い風が海から吹き込んだ。多くの株が倒されつつある。黙ってみているしか無い。心配だがどうにもならない。今日風が収まったらもういちど手直しをしたい。どれだけ被害を受けるだろうか。

 草がまったく出ないのだから、タニシ取りだけですむなら、どれだけ楽かと思う。タニシ対策はやはりしっかりした大苗を作ることだ。それは石垣島の強い風邪対策にも成る。今年は慌ただしく苗を作ったので、不十分な苗である。しっかりした苗になれば、ジャンボタニシも大風も被害は小さくなる。



 来年は畦際に溝を掘るつもりだ、畦をしっかり作ろうとすれば、自然畦際には溝が出来る。その溝に田んぼの水を落とせるようにする。そしてその溝にジャンボタニシを集める罠を仕掛ける。黙っていても水のあるところにジャンボタニシは集まってくるようだ。

 罠は色々タイプがあるようだが、要するに水のある場所にエサを置けば集まる。集まって出られないようにしておけば、自然確保できる。そうしておけば、ジャンボタニシの密度が減る。密度が減れば、食害も当然減る。

 そしてイネの株が堅くなって食べなくなった頃には雑草を食べてくれるようになる。実際に田んぼで雑草という物を見ることがほとんど無い。草取りの手間を考えれば、ジャンボタニシ拾いぐらいはたいした手間では無い。これからもジャンボタニシ観察と研究は、結論が出るところまでやるつもりだ。



 水鳥対策はタカの凧3羽で何とかなっている。海側から水鳥は来るので、この谷間の入口に、3羽の鷹を飛ばせた。凧を飛ばしてから1羽の水鳥も見ていない。いつ頃成れてしまうのか。これも重要な要素になる。今後はイノシシと、孔雀の問題である。

 電気柵、ネット、準備はしておかなければならない。必ず現われるだろうから、あらかじめ用意しておく必要がある。まず山側にネットを張る必要はあるだろう。孔雀がネットぐらいで来なくなるかどうかはまだ分からない。ただ、ハブを見かけたことが無いのは孔雀の御陰と考えていいようだから、目の敵にするほどのこともないかと思っている。

 石垣島でのハブに噛まれた被害は年々減少している。一月に1件くらいのようだ。減少の原因は孔雀が増加していることにあると思われる。石垣島にいるハブはサキシマハブである。サキシマハブに噛まれる人は2019年には15件。内2件が血清を使ったとある。



 田んぼの周辺ではセマウルハコガメは見付けたが、ヘビそのものを一度も見ていない。小田原では田んぼでヘビを見ない日が無いのだから、いかに石垣島はヘビが少ないのかと思う。孔雀が増えたことが原因しているのだろうか。申し訳ないことだが田んぼの活動にはハブの心配がないことは有り難いことだ。

 田植えしてから、水が来ないこともあり、淺水を続けている。淺水を続けることが、ジャンボタニシの移動を妨げ、被害を減らすことになる。水たまりを中心に拾い歩けば良いと言うことになる。田植えがしっかり出来ないで、倒れた苗は確かにジャンボタニシに食べられる。

 少し深植えになるとしても、苗は倒れないように植えなければならない。これは来年は田植えの時の重要な指示項目になる。初めての人が田植えをするのだから、分りやすく説明をする必要がある。今年も最初の時間に来てくれた人は良かったのだが、遅れてくる人が多く説明を聞かないで始めてしまう人がかなり居た。

 苗は3日目に水が来て遅れて活着した。水が来て葉の緑色が一気に上がってきた。一部に葉先に水滴がついた苗が現われた。植え痛みもかなり目立ったのだが、補植をかなりしたので、3日目には全体ではそこそこの田んぼになった。

 線引きはかなりうまく行った方だろう。田んぼでは縦横だけで無く、斜めの線もき
れいに出ている。今回の新しい田んぼは、学ぶことが山ほどある。沢山学んで次に備えたい。必ず石垣島の有機のイネ作り法が見つかるはずだ。

 一番学んだことは7月の苗作りは、大変と言うことだった。苗が早く生育しすぎて、がっしりした物になりにくい。1月の苗作りであれば、こういうことは無いはずだ。石垣での良い苗作りを研究すること。苗床と本田の関係も、分けないと難しい。

 田んぼの土壌をよくして行くための、緑肥作りも必要である。ヘヤリーベッチならばうまく育つのだろうか。今から少しヘヤリーベッチを蒔いて様子を見てみたいと思う。

 - 「ちいさな田んぼのイネづくり」